おしゃれFOODIEがいく〈口内世界旅行~インド第2弾~〉

世界が移動を制限し、気軽に旅行を楽しめなくなってもう随分経ちました。まだまだ外食も旅行も思いっきり楽しめるわけではありません。そこで提案したいのが「口内世界旅行」!おうちで世界の料理を作って、旅行気分を味わいましょう。

 第13回は前回に続き “インド第2弾”です。インドのイメージが偏って固定化しすぎているので、今回もインド人もびっくりのお話です。

「インドの主食は“ナン”ですか??」ずばりインド人の主食は、ナンではありません。日本のほとんどのインド料理屋さんで食べられているあの白くて大きなナン。あれはインドで日常に食べられているものではありません。一部のホテルかレストランで食べられているかどうか…といったところです。ナンはタンドールというインドの縦型の土釜で焼かれるものなので、家庭では食べられていません。しかもムンクの叫びのような形のナンは、日本でしか見られないのだそうです。インドのナンは丸いのです。

インドの家庭で主食として食べられているのは、米とチャパティ。北部ではおもに全粒粉と塩と水を練って薄く焼いたチャパティが食べられます。もっちりしたナンと違い、全粒粉を使うことから少しボソボソとした印象です。味も全粒粉の素朴さで可もなく不可もなくといったところ。だからこそスパイシーで水分の多いカレーとの相性抜群なのです。手でカレーを食べるとき、分厚い布のようなチャパティは、カレーを上手にすくって食べることができます。中に具を入れて焼いた、イタリアのカルツォーネのようなおかずチャパティ「パラタ」もよく食べられます。こちらはインドの子どものお弁当の定番だそうですよ。

南インドでは米をよく食べます。河川に恵まれた地域だからこそ水稲が栄え、米文化が根付いているのです。南インドのカレーは油分が少なくあっさりしているのでお米に合うそうです。南インド料理はインドネシアや東南イジアの料理に似ているのですが、日本では南インド料理を出しているレストランは多くはありません。南インドのカレーは赤唐辛子の辛さで、シャバシャバ系です。私たちが食べ慣れているインドカレーはクリーミーでトロっとしていますよね。これは北インド料理のイメージになります。北インドでは辛味に青唐辛子使うので辛さの種類も異なります。

 インド人はそもそも白い精製された小麦粉(=薄力粉)を「全粒粉の残りカス」と呼び、嫌う人もいるほどだそうです。インドの伝統的な生活科学アーユルヴェーダでは「白いものは身体に良くない」とされているので納得ですが、筆者は日本の白いナンが大好きです。でもあの美味しいナンにはたっぷりの油が使われていて、焼き上がりにもギーという油がたっぷり塗られているのです…。美味しいものは糖と油でできている…まさにその通りですが、美味しいことに間違いありません。ナンを食べるときは、食べすぎに注意して楽しんでくださいね。

レシピ

「ビリヤニ風炊き込みご飯」はこちら

「インド風ターメリックライス」はこちら

参考:「カレーハンター」HP

オフィシャルメンバー:滝野 香織

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