2020.4.16UP
話したくなる食の豆知識~サケの仲間たち~
人に話すと「へぇー」と感心してもらえそうな、そんな食の小話、サケの仲間たちについてお話しします。
子どもたちと話していると、「これは鮭だよ。」と伝えると「違う!サーモンだよ。」と言われることがあります。
その違いは何かと聞いてみると、「サーモン=刺身」「鮭=塩じゃけ」というように分類している子が多いようです。
魚を買いにお店に行くと、銀鮭、塩鮭、トラウトサーモン、オーロラサーモンなど名前もさまざま。鮭缶の材料となっている魚はカラフトマスが定番だったりと、「鮭」と一口に言っても名前も風貌も味わいも違うものがたくさんありますね。
鮭とサーモン
私たちが鮭として食べているものには、鮭、紅鮭、ニジマス、カラフトマス、サクラマスなどがあります。
生物学上で見ると、実はサケ、サーモン、マスに明確な区分はなく、これらの名前の違いは模様や色、地理的分布などによって生まれているのです。海外から入ってきたサーモンは分類的にはタイセイヨウサケのですが、「サーモン」という言葉のイメージの良さから○○サーモンと名乗るようになったのです。日本の大衆寿司屋で使われているのは主にニジマスを養殖したトラウトサーモンが主です。これらは養殖で育てられているため寄生虫がいる恐れは低いのですが、日本人が昔から慣れ親しんで食べている鮭は寄生虫がいる可能性が高く生食することはありません。そのような違いもあり、生食の際には「サーモン」と呼んでいると言われています。
「赤いけど白身魚」の謎
鮭の身は綺麗なオレンジ色。赤身か白身かと聞かれたら「赤身」と答えたくなりますが、実は鮭はれっきとした白身魚。鮭の身がオレンジ色になる理由は、鮭が普段食べているものに起因しています。鮭の好物は、オキアミなどの甲殻類プランクトン。これらに含まれるアスタキサンチンという赤い色素の影響で鮭の身はオレンジ色になっているのです。
100年以上の歴史を誇る鮭缶
鮭缶の原料はカラフトマス。脂が多くて柔らかく、圧力をかけて加熱してもふっくら仕上がるのがこの品種。水揚げされた鮭を新鮮なうちに缶に詰めて加熱した商品。缶詰なので、いつ食べても同じと思いきや、製造後3か月ほど経った頃、味がなじんだタイミングがお
いしいそうです。海と川を行ったり来たりするサケの仲間たち。焼き鮭もお寿司のサーモンも鮭缶も馴染みが深いけれども、実はこんな違いがあるのです。知ってみるとちょっとうれしい豆知識、どこかで披露してみてくださいね。
(オフィシャルメンバー:戸根みちこ)
参照:マルハニチロHP