塩分の摂りすぎは何がいけないの?

塩、おいしいですよね。
野菜にパラリ、ご飯にパラリ、
甘いスイカだって、塩をかけることで甘みを更に強く感じることができます。
甘みだけでなく、うまみや脂の味も塩を少量加えることで強く感じることができることが最近の研究で分かってきました。その一方で、塩は私たちの健康を脅かす敵の要素も持っています。減塩調味料が多く出回ったり、減塩レシピ本が多く書店に並んだりしている様子を見ると、いかに塩が恐れられているかがわかります。

塩の摂取量はどのくらいにすべき?
WHO(世界保健機関) は、1日の塩分摂取量が5g未満になることを推奨しています。日本では、厚生労働省が出している目標値は男性が1日7.5g未満、女性6.5g未満。けれども平成29年における20歳以上の成人の平均塩分摂取量は9.9g(厚労省調べ)。年々減少傾向にはあるものの、WHOの推奨からは大きく上回っています。

塩の摂りすぎは何をもたらす?
私たちの体にはもともと塩分が含まれています。塩分を多く摂りすぎると、喉が渇き、水分を多く摂取します。そして、余分な塩分を水分に乗せて対外に尿という形で排出するために働くのが腎臓です。若い頃には腎臓も元気なのでたくさん働いても問題がないのですが、塩分を過剰摂取し続けることで腎臓に負担がかかります。
人生100年と言われる現代では、年を取るにつれて腎臓の働きが衰えていきます。一度衰えた腎臓の働きを取り戻すのは難しく、腎臓の機能が衰えて老廃物の処理をできなくなると、命を落とす危険もあるでしょう。また、腎機能の低下は心臓への負担増や高血圧などをもたらします。健康寿命を延ばすためにも、塩分摂取量を抑えることが大切なのです。

食事の中のメリハリが大事
それでは調味料を全て減塩タイプにして薄味に…とすると、全部がぼやけた味になり、ついしょうゆや塩を足したくなりがち。そうなっては本末転倒です。そうならないためにも、メインのおかずの味付けはしっかりさせておき、その他のおかずを塩分控えめにするなどメリハリをつけることで減塩を長く続かせることができます。

『うまみ』を活用
今や[umami]は世界共通語。
鰹や昆布、煮干しからとった日本のお出汁にはうまみが凝縮されています。出汁を活用することで、塩分を控えても満足のいく料理を作ることができるのです。

ハーブの活用
ハーブというと洋風の料理を思い浮かべるかもしれませんが、シソや三つ葉などの馴染みのある香草も立派なハーブです。洋風のハーブは、バジルやタイム、こしょうやカレー粉などを始め、今やスーパーにも多種多様なハーブ類が置かれています。このような香りのものをうまく取り入れることで、塩を少なく抑えてもおいしく料理をいただくことができます。

人生100年とも言われる今だからこそ、健康に気をつけながら毎日の食事をおいしくお楽しみくださいね。

(オフィシャルメンバー:戸根みちこ)

参照:
NHKスぺシャル 食の起源
「塩分が日本人を滅ぼす」(本多京子/幻冬舎新書)
厚生労働省HP

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