二十四節気に合わせて心と体を整える“芒種”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第74回は「芒種(ぼうしゅ)」です。

6月6日~6月20日頃となる芒種は、梅雨の時期になります。「湿邪(しつじゃ)」という言葉をご存知でしょうか。湿度の高い梅雨時期に余分な水分や老廃物が溜まることで引き起こされる心身の不調を表す言葉です。湿邪は水の邪気となるので、冷えが不調の元凶になります。「梅雨寒(つゆざむ)」と呼ばれるように気温が低くなることで生じる「外湿」と、身体の内側から生じる「内湿」の2つの側面があると言われています。

とにかく湿気の多い梅雨の時期は、体内水分バランスの調整が難しくなりがち。血液の循環が滞って代謝が悪くなるとされ、むくみや冷え、全身のだるさといった症状を引き起こすとされています。これが外湿です。それに対し内湿は、梅雨の時期に起こる消化器官の不調を指し、食欲不振や胃もたれ、下痢・軟便の症状が起こりやすくなります。湿邪による不調に当てはまる方は、このような症状が多いのではないでしょうか。

そこで注目したいのが湿邪に効くとされている食材。なかでも夏野菜は利尿作用のある食材でおすすめです。夏野菜でもおなじみのきゅうりやトマト、茄子、ズッキーニなどはカリウムが含まれるものが多く、利尿作用があります。加えてハト麦やとうもろこし、大豆や小豆などの豆類もむくみ予防の効果があるとされています。

また、発汗作用のある食材も湿邪に効果的といわれています。唐辛子や生姜などのスパイスは、身体を温め、熱くする効果が期待できます。むくみ対策で夏野菜ばかり食べてしまうと身体を冷やしてしまう可能性もあるので、唐辛子や生姜をうまく組み合わせて、温冷のバランスを取るのがおすすめです。さらに辛味のある味や香りは、湿邪による食欲不振に対する食欲増進効果も期待できます。

胃は過剰な水分を嫌います。胃の中に余分な水分が溜まると、胃が冷やされて蠕動運動が鈍くなり、胃酸の分泌も悪くなります。そこで胃の働きをサポートしてくれるキャベツ・山芋・鶏卵・豚肉を食べたり、胃腸を温める効果の高い南瓜を食べるようにしましょう。

湿邪による身体のだるさは、入浴も良いとされます。シャワーではなく湯舟に浸かることが大切です。熱い湯はのぼせてしまうので逆効果。ぬるめの湯にゆっくり浸かって汗をかくことが有効とされています。お風呂から出たら、冷えたビールをグビっといきたいところですが、湿邪撃退の為にはがまんがまん…。

湿邪による不調を緩和するには、ツボ押しやリンパマッサージもおすすめです。身体のどこが冷えていて、どこに老廃物が溜まっているのか手の感触で理解し、自身の身体を管理していきましょう。

今年の梅雨は湿邪を逃すよう、内側から外側から水分コントロールしましょうね。


(オフィシャルメンバー:滝野香織)

参考  「サンスター」HP
「からだに効く和の薬膳便利帳」武 鈴子

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