2019.11.14UP
調理で変わる、栄養素
皆さん、日ごろの栄養バランスは気にされていますか?
栄養バランスを気にする方に、ぜひ知っていただきたい調理法によって異なる栄養素についてお話しします。
「ビタミンCは熱に弱く、加熱すると失われてしまう」このような情報をテレビや雑誌で聞いたことはありませんか。
加熱で失われるビタミンCのように、調理法ひとつで失われてしまう、または逆に増えたりする栄養素。きちんと特性を理解すれば同じ食材からより効率よく栄養素を摂取することができますよ。
豆苗はどこでカットする?
安定した値段だけでなく、その栄養素で今話題の豆苗。
一度カットした後に、もう一度育てられることはよく知られています。
できるだけたくさんの量を食べてから、もう一度育てたくなるかもしれませんが、実はカットする場所が非常に大事。
豆苗をよく見ると半分より下あたりに脇芽が出ています。
ここをカットしてしまうと、成長パワーを使い切ることができなくなってしまいます。
豆苗を最初にカットするときは「脇芽の上」で行うこと。
こうすることでビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な豆苗が2回楽しめます。
葉野菜に最適な低温蒸し
低温蒸しという言葉を聞いたことはあるでしょうか?
通常の蒸し料理の場合、100℃で沸騰した蒸気で蒸し上げていきます。
低温蒸しというのは、この温度よりも低く50~70℃の間で時間をかけて蒸していく調理法です。
蒸し器をお持ちでしたら蓋に菜箸を挟んで隙間を作り、中の温度が上昇しすぎないように注意しながら蒸してみてください。加熱調理で失われやすいビタミンCも、この調理法ならばビタミンCが失われるどころか増えるという実験データもあります。根菜はかえって固くなってしまうので、葉野菜で試してみてください。味もおいしくなり、感動しますよ。
トマトは白線を避けてカット
トマトを調理するとき、中の種を取るというレシピがあります。
全体を水っぽくしたくないときにはそうするのですが、その種を捨ててしまうのはちょっと待って!
実はトマトの種とその周辺の部分には全体の80%ものアミノ酸が含まれます。
アミノ酸は「うまみ」のもと。また、疲労回復効果もある栄養素的にも大事な部分なのです。どうしても調理で取り除かなくてはいけない場合を除いて、種の部分を捨てるのはおすすめしません。
とはいえ、切っているうちに自然とあふれてしまうよ、という声が聞こえてきそうですが、カット方法にもコツがあります。トマトのヘタを下向きにしてまな板に置くと、お尻の部分に白い筋が見えます。この筋のある場所は実は種のある場所。
ですので、お尻を見ながら白い筋と筋の間を狙って切るようにすると、種を出さずに切ることができます。
ちょっとした調理のコツ、ぜひお試しくださいね。
参照:
書籍「その調理、まだまだ9割の栄養捨ててます!」