二十四節気に合わせて心と体を整える“大雪”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第110回は「大雪(たいせつ)」です。12月7日~12月21日頃、東京ではまだ雪が降るには早い季節ですが、だんだんと冬の寒さが深まり、食べ物から温まりたいと思う季節ですね。今回のテーマは「酒粕」です。

酒粕は、日本酒の仕込みが終わった後の醪(もろみ)を絞った後の残り物。酒粕の量は、酒米を醸造した時の重量比で約25%にもなるといわれています。そんな酒粕は、残り物というにはもったいなく、お酒の副産物として列記とした商品です。そしてアルコールを8%も含むことも忘れてはいけません。ここでは、酒粕に期待できる効果をまとめてみました。

【酒粕で目指したいキレイ効果】

〇つるんとしたお肌

酒粕に含まれているコウジ酸やアルブミン、遊離リノール酸は、ニキビやメラニンの生成を抑制するといわれています。

〇お腹の調子を整える

豊富な食物繊維(不溶性食物繊維)やオリゴ糖が腸の健康におすすめとされています。

〇悪玉コレステロールの低下が期待できる

酒粕に含まれているレジスタンスプロテインと呼ばれるタンパク質の働きで、悪玉コレステロールが低下できる可能性があります。

〇免疫力を高める効果が期待できる

麹菌・酵母の細胞壁に含まれる成分は、健康に役立つ成分。風邪が引きにくくなるなど、体にいいことが沢山あります。

〇頭痛・肩こり・冷え性のお悩みに

アデノシンと呼ばれる血管拡張作用がある成分が、肩こりや頭痛、冷え性などの

お悩みを和らげてくれる効果が期待できます。

〇糖尿病や肥満に繋がりにくくなる

難消化性でんぷんと呼ばれる成分が、糖の吸収を抑制する効果が期待できます。さらに難消化性たんぱく質の働きで食事をした際に摂取したコレステロールを排出しやすくしてくれる効果が期待できるため、肥満や糖尿病の予防に役立つとされています。



このように、酒粕はキレイになりたい、健康になりたい方には「もってこい!」の食材です。原料由来のでんぷん・たんぱく質・繊維質、そして発酵中にたんぱく質が分解してできたペプチドやアミノ酸・ビタミン・さらにもろみの発酵で働いた酵母が含まれています。これら成分が美容や健康の役に立つとされていると考えると、ぜひ摂り入れてみたくなりますね。

個人的な意見ですが、酒粕はお好みの酒蔵で酒粕を手に入れるのが一番美味しいと思います。なかなか見つからない場合は、スーパーマーケットでも気軽に購入できますので、いつも足を運ぶスーパーでぜひ探してみてください。使いやすいようにほぐされたものもありますし、メーカーから出ている酒粕が並んでいたりもします。

いいことが沢山ある酒粕。とはいえアルコールを含みますから、お子様やアルコールに弱い方は十分注意してください。量にもよりますが3分間を目安に沸騰させると、アルコールをある程度は飛ばすことができると一般的に言われています。少量の場合は電子レンジで1~2分加熱して沸騰させ、そのまま30秒ほど放置するという方法もあるそうです。

そのほかにも酒粕の活用法は、お湯に溶かして砂糖を加えて煮る甘酒が代表的です。この甘酒に生姜やスパイスを入れてチャイのように楽しむのも体が温まっておすすめです。それから粕汁もいいでしょう。普段のお味噌汁に酒粕を入れるだけでうまみが増して身体もほっこり。

「鮭ときのこの粕汁」レシピはこちら

酒粕を買っても使い切る自信がなくても大丈夫。酒粕は賞味期限がとても長いものです。開封しても、冷蔵庫で半年は保存できるとされています。発酵が進み、色や香りは変化して食用にいまいちかなと思ったら、パックやお風呂に入れたりもできます。こうして考えてみると、最後まで買い切れるのではないでしょうか。

この冬は酒粕使いの達人になってみませんか??



参考:「菊正宗」HP

  :「月桂冠」HP

オフィシャルメンバー:滝野 香織

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