牡丹餅と御萩

今年の彼岸入りは3月18日。

21日の春分の日を真ん中に、3月24日が彼岸明けとなります。

お昼と夜の時間が、ほぼ同じになるこの日は

この世とあの世が一番近くなる日と古来より考えられています。

この期間にしっかり供養を行うことにより極楽浄土への道が開けるという言い伝えに倣い、

お供え物をしてお墓参りをする「お彼岸」として過ごすようになりました。

ところで、お彼岸の時に作る「お餅」ですが

春のお彼岸は“ぼたもち(牡丹餅)”

秋のお彼岸は“おはぎ(御萩)”

このように、季節に合わせて呼び名が異なります。

これはご存知の方も多いでしょうか?

「春の牡丹」「秋の萩」それぞれの季節を代表する花の名を借りて、

お餅の名前を付けました。

ですので、同じ“あんこをまぶしたもち米”でも

春と秋では呼び名が違うのです。

また、春と秋だけでなく夏や冬にもこの「お餅の呼び名」は変わります。

夏は“夜船”、冬は“北窓”。そう呼ばれています。
牡丹餅と御萩に使用するお餅は、ぺったんぺったんと餅つきをしません。

いつついたのか解らない=いつ着いたのかわからない=夜の船=夜船

つかないで作る=つき知らず=月知らず=月の見えない窓=北窓

と呼ぶそうです。(諸説あり)

同じ食べ物でも言葉遊びを交えて呼び名を付け、季節に合わせて呼び名を変える。

これは昔の人の季節の丁寧な味わい方、楽しみ方ではないでしょうか。

学びたいこと、沢山ありますね。

参考文献…小田原菓子展 資料

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